◇集会アピール
教育基本法の改悪が行われようとしているなか、本日、私たちは組織・団体の枠を超えて全国から集まりました。教育基本法の改悪によって「愛国心」の強制、家庭教育への介入、教育行政による教育支配が進めば、教育は国家権力によって支配され、私たちの自由は奪われてしまうことになるでしょう。また改悪は、子どもが教育を平等に受ける権利を奪い、エリートとその他大勢に分ける差別を強化します。
2005年1月18日、日本経団連は「これからの教育の方向性に関する提言」を発表し、教育基本法改悪の方針を打ち出しました。同日、同団体が発表した「わが国の基本問題を考える」で、憲法第9条第2項の「改正」、具体的には自衛隊保持の明確化と集団的自衛権の明記が提唱されていることは、教育基本法改悪と憲法改悪の一体性を示しています。政府は憲法「改正」のための国民投票法案の国会提出を目指しており、自民党は2005年11月に憲法「改正」案を作成する予定です。財界・政府・自民党ともに、「戦争する国家」づくりへ向けて、教育基本法と日本国憲法の改悪を急ピッチですすめようとしています。 教育基本法改悪の先取りは、既に、差別・選別を推し進める「教育改革」や、卒業式・入学式での「日の丸・君が代」強制という形で、全国で実施されています。
東京都では、教職員への「君が代」起立・斉唱の強制はもとより、生徒に「君が代」の起立・斉唱を「指導せよ」との項目を加えた校長の教職員への職務命令が出されました。これに対して、保護者、市民、地域の労働組合による教育委員会、学校への申し入れ、校門前でのビラ撒きなどが、現場教職員の職務命令阻止・撤回の運動と連帯して取り組まれました。子どもたちからも、卒業式での「先生をこれ以上いじめないでください!」という発言など、強制や処分に対する批判の声があがりました
。そして今年も、処分を覚悟で60名以上の教職員が不起立・不伴奏を貫きました。これらの運動は、教育基本法改悪の先取りを許さないたたかいであるとともに、自由と民主主義を否定する石原都政のファシズム的支配に対する貴重な抵抗運動であるといえます。
北九州においては、既に20年前から強制が実施され、教職員によって「ココロ裁判」が続けられていましたが、4月26日、福岡地裁は、学習指導要領は「大綱的基準」に過ぎず、卒業式の細目にわたっての拘束力をもつものではない、教育委員会の細部にわたる指導と実施状況の監督は「教育基本法10条1項にいう不当な支配」にあたるとし、減給処分について、「直接、生活に影響を及ぼす処分をすることは、社会通念上著しく妥当性を欠き、裁量権の範囲を逸脱した」として処分の取り消しを命じました。私たちは、各教育委員会、文部科学省が、これらの司法判断を真摯に受けとめ、直ちに「不当な支配」をやめ、処分を撤回することを求めます。
しかし、この判決においても不当に認められていない憲法第19条「思想及び良心の自由」を真に獲得し、人権がおびやかされない社会を実現するため、私たちは、さらに良心のたたかいを続けます。
自民党は2005年度の運動方針案に教育基本法「改正」を明記しました。しかし私たちは2003年3月20日に中教審答申が出てから2年以上たった今日にいたるまで、「改正」法案の国会上程を行わせていません。この情勢は、「日の丸・君が代」強制への反対運動、2003年に行われた「教育基本法改悪反対!12・23全国集会」以降、新たな連帯を生み出しながら広がっていった多彩な運動の展開、憲法改悪に反対する運動・世論の大きな広がりなどによって生み出されたものだといえます。しかし、政府・与党は教育基本法改悪法案の国会上程をあきらめてはいません。
また2005年4月5日には、近代日本の侵略戦争と植民地支配を賛美する「新しい歴史教科書をつくる会」の歴史・公民教科書が検定を通過しました。「つくる会」教科書の検定合格と採択へ向けての動きは、教育基本法と日本国憲法の改悪と密接に関係しています。私たちは「つくる会」教科書の採択に反対します。それは「つくる会」教科書の検定合格、小泉首相の靖国神社参拝、日本の急速な軍事大国化などに対して立ち上がった中国・韓国をはじめとするアジアの市民の訴えに誠実に応答し、彼らと平和に基づく連帯をつくっていきたいと考えるからです。そのためには過去における日本の侵略戦争の責任を明確にし、学校教育の場で子どもたちに教えていくことが必要不可欠です
。2005年7月から8月にヤマ場を迎える「つくる会」教科書採択を阻止すること、それは教育基本法改悪法案の国会上程、さらには改悪そのものを阻止することにつながります。私たちは、教育における自由と平等と民主主義の理念を守り、実現し、今また繰り返されようとしている侵略の歴史にストップをかけるために、教育基本法の改悪を全力で阻止することを、ここに宣言します。
2005年5月7日
教育基本法の改悪をとめよう!5・7全国集会参加者一同
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