ホーム

図書館九条の会

最新情報

会員のひろば

会員通信

戦争と図書館

資料紹介

問い合せ

入会

リンク

                 

ホームへ
図書館九条の会について
最新情報
会員のひろば
資料紹介
問合せはこちら
入会はこちら
リンク集

「戦争と図書館」

図書館九条の会世話人 大澤正雄

戦争の波が押し寄せる東京市の図書館 (2005年1月16日更新)


1.日比谷図書館

 尾崎行雄市長の時代に建てられ、そして、東京市民のみでなく、東京に集る全国の人々に親しまれたこの図書館も、関東大震災を経て、二十五年後の昭和六(一九三一)年ともなると、外見的な傷みが目に見えてきた。本書第二部の切り抜き資料にも見られるように、「日比谷図書館改築の叫び」が利用者の間からおきてきた。
しかし満州事変下の市政のなかで、文化行政は徐々に片隅に追いやられていった。この記事のなかでも、改築理由に「歴史教育による思想善導」がもち出され、「寄附にまつより方法がない」と当局がいっているのも、大正期を通じて全国の図書館をリードしてきた東京市立図書館の全盛期も、すでに峠を過ぎたことを物語っている。

 奇しくも、満州事変の始まったこの年の四月一日、東京市立図書館の職制は大幅に変更され、全市の図書館が日比谷図書館を中心として一つの組織として運営されていた方式が解体され、昭和十七年五月十四日まで、直接教育局長の監督をうけることになった。
この年を境に、東京市立図書館は、急速に官僚化し後退化していったといわれる。多くの専門的職員は去り、開架式であった図書館のあるものは閉架式となり、また無料館であったある館は有料館となり、日比谷図書館長は、昭和六年から十九年まで(中田邦造館長が就任するまで)の十三年間に、八名の館長が交替した(館長代理を含む)。平均在職期間一年六ヵ月である。(『戦争と図書館』P.19)

**新聞切り抜き********************

惨めすぎる日比谷図書館
改築の叫び、落書にまで現れた
       ─利用者の熱望─

 市立図書館として光輝ある歴史を有し、また江戸史料その他の得難い蔵書、児童閲覧室の設備などで市民の利用盛んな日比谷図書館は、明治四十一年建設された当時は木造とはいいながら東京百建築の一つとまでうたわれたものだが、その後二十余年を経過し八年前の大震災で多大の損傷を蒙った上、その後の大小地震で館の内外汚損甚だしく、雨漏りもひどいので毎年予算編成の今ごろになると改築の要望が起るが時節柄お流れとなるのがおきまりであった。
ところが今年もまた灯火親むべき候となって利用者の側からそろそろ改築要求の声が上げられ、中には口頭をもって事務員に改築のことを訊くものもあるかと思うと落書などにも現れて来る始末である。
一方、館としてもこのままでは四年目毎に莫大の費用をかけて大修繕を施さねばならず持てあましの態であるが、歴史教育による思想善導が叫ばれる今日、市立図書館がこの惨めさでは貴重な史料の保存にも安心がおけない有様で一部の識者からもなげかれているが、今のところ改築するとすれば七、八十万円から百万円位の予算があればというのだが、市財政窮乏の折柄当局では特志家の寄付にまつより方法がないといっている。(十月二十五日、中外商業新聞)

 

以前の記事はこちら

「戦争と図書館」の成り立ち (2005年1月15日更新)


 


Copyright(C) 「図書館九条の会」 All right reserved.