『図書館九条の会 交流会 in 図問研大会斐川 に出席して』
高松市 棚橋満雄
私は図書館九条の会には最初から参加していたが、交流会に出席したのは初めてであった。交流会での報告は以下のように行われた。
1.岩国基地闘争のいま 稲生 慧さん(岩国市)
2.「九条の会・斐川」の運動と図書館 新宮章一さん(斐川町)
3.憲法、教育基本法、共謀罪はどぅなる? 佐々木順二さん(東京都)
稲生さんの報告は岩国基地闘争に関わるものであったが、図問研山口支部が最近「暮らしに役立つ市民の図書館」を刊行して日本一の浦安市立図書館におとらぬサービス実績を上げている岩国市立図書館を紹介していたので興味をもって報告を聞かせていただいた。報告は岩国市立図書館が戦時中蔵書の中で左翼と右翼の本3千冊を取り上げられ、焼かれたという経験をから話が始まったが、当時蔵書3万冊だったというから、大変な打撃であったに違いない。そしてこのことは清水正三氏の「戦争と図書館」に出ていなかったと思うから、図書館内部で語り伝えられたことであったかもしれない。この岩国市立図書館がアメリカ軍艦載機の岩国基地への移転の際に資料展示をしたところが、市役所総務課から展示を自粛するようにという連絡があったということであった。この問題についての論議が無かったので経過がどうなったかについては定かではない。さらに艦載機の移転を受け入れるかどうかをめぐる住民投票に際して移転受け入れ派は「移転に反対したら地方交付税が減らされる、賛成すれば交付税が増える。」といって圧力をかけようとしたということであった。大会初日の講演とシンポジウムの中で片山鳥取県知事と本田斐川町長は政府が交付税を餌に大規模な公共事業を自治体に押し付け、交付税をつける段階になると交付税の本体を大幅に削減して自治体を財政危機に追い込んだことを「自治体をだました。」といって批判されていたが、彼らの自治体における手先は交付税を餌にして艦載機の岩国への移転を市民に飲ませようとしたのである。小泉を始めとした権力者が道義的な正当性をまったく失っていることをこの事実は示している。かつて交付税の補助金化ということがいわれたが、現在は交付税の私物化が進んでいるといってもいいのではないかと思う。このような道義的な正当性をかなぐり捨てた勢力が進めようとしている憲法と教育基本法の改正に未来がある筈がないということを感ぜざるを得なかった。
新宮さんの報告もまた戦時中の斐川町に対するアメリカ空軍のグラマン戦闘機による攻撃によって軍人と斐川町民が殺害された歴史から始められた。そして図書館づくりについては24年間の運動の成果として本田町長の当選を実現してすばらしい斐川町立図書館の開館を実現することができたことを報告された。そして白根図書館長は館内に憲法コーナーを設置して町民への資料提供に努められたことを報告された。
最後に佐々木さんは自民党の新憲法草案に即して憲法がどう変えられようとしているかを述べられた。焦点はもちろん憲法九条であり、その第二項である。自衛軍の保持、アメリカ軍への協力、日本国民への軍事的弾圧の実現がその内容であり、さらに第三項をつくって軍事裁判所の設置を規定していることが明らかにされた。このことは国民にはまだよく知らされていない。きわめて重要な事実である。
さらに徴兵か志願兵かが検討されているが、志願兵がうまくいかない時は徴兵を実施する計画で進められていること、そして憲法改正を進める勢力は現在のニート、フリーターの大量の存在を自衛軍の創設、徴兵制度を助けるものとして歓迎していることが明らかにされた。格差社会を推し進める改憲勢力の意図がここにもあるということは恐ろしいことであるといわなければならない。
このような日本の軍事化を中国、韓国を始めアジア諸国は警戒心をもって見ていることが重要なことである。東京オリンピックに対してもアジア諸国は警戒心を持っているということである。
憲法九条の廃止は日本をどこに導こうとしているか、またそれは国会では多数を占めているように見えても世界の舞台では、また歴史の舞台では決して多数ではないし、あり得ないということを教えられた交流会であった。
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